ブラジル回顧記 Part.1
ブラジルから帰国後早々、久石は今回のブラジル滞在のこと、
そして審査員として参加した映画祭のことについて語ってくれました。
スタッフが聞いた久石のインタビューをお送りします。
Interview with Joe Hisaishi Part.1-----
今回34時間もかけてブラジルに訪れた目的は、マナウスで開催される映画祭(正式名称“Amazonas Film Festival”)の審査員に招致されたためです。
初の試みとして、毎日時間のあるときに携帯に日記を書いて、日本に送信していたのですが、最終日に携帯を失くしてしまって…(苦笑)
このブラジル回顧記は今回のブラジル旅行の総括編です。
さて、今回の映画祭は、南米・ブラジルのアマゾン地域の町で映画祭が開催されたのですが、なぜこの町で映画祭が行われるのか? ということに、僕はとても興味を持っていました。
映画祭の実行委員会はLionelさん率いる外国人チームで構成され、モロッコ映画祭などの世界各地の映画祭を手掛けているメンバーによって取り仕切られていたのですが、実に素晴らしいシステムだと感じました。
というのも、マナウスは160万人くらいの想像以上に大きな町で、町の中心にはアマゾナス劇場というパリのオペラ座を模倣したシアターがあり、そこで連日映画祭の作品が上映されていました。
ブラジルの地方都市の中でも規模の大きい都市で、物価も高く、なおかつ産業的にも拓けていて、近年は海外からの注目も非常に高く、今後もものすごく発展していくだろうと思われる都市なのですが、残念なことに文化がないのです。町全体の雰囲気も、どこかひと昔前の工業地帯のようで、文化の香りがしません。
こういった、文化の未熟な場所で、海外のチームが率いるフェスティバルのシステムを導入した最大の目的が、町全体で映画祭に取り組むことにより、文化レベル・知的レベルの向上を目指し、そして観光地としての都市のイメージアップを図るということだったのです。
今回で5回目となるこの映画祭では、僕の審査した主要作品部門の他にも、ドキュメンタリー部門や5分のショートフィルム部門も充実していました。特に後者のショートフィルム部門では一般参加型となっていて、マナウス近郊に住む人たちもワークショップを開いたり参加したり、出品できるのです。こうした町全体が映画祭に参加していたことは、社会貢献度の高いとても意義のある素晴らしいものであったと思います。
【Part.2へとつづく…】

