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アジアツアーファイナルコンサートレポート

2007年03月15日

お待たせいたしました。
3月5日 Asia Orchestra Tour Final Concertのレポートをお届けいたします。


 『水の旅人』で華々しくコンサートが幕空けです。冒頭こそピアノのソロですが、後半になるにつれて壮大に発展していくオーケストレーション。これから始まる唯一無二のひとときに対する期待感をより一層盛り上げてくれたような気がします。コンサートを始めるに本当に相応しい楽曲です。新日フィルの方々のこのコンサートへのやる気を感じさせられるような、壮大で、かつ、清々しい演奏でした。アルト・フルートのソロで始まる『For You』は、アルト・フルートという楽器特有の、優しくも深い音色が、この曲のメロディーの美しさをより一層際立たせている気がします。続いて『NAUSICAÄ 2006』。オーケストラのそれぞれの楽器の特性を生かしつつ、様々な要素が絶妙に散りばめられていて、「風の谷のナウシカ」の映画が描く世界観を表しつつも、音楽だけで成り立つ世界観をも感じられる表情豊かな演奏でした。続いて『組曲・もののけ姫』。中間部の“タタリ神のテーマ”の箇所は、パーカッションパートの聞かせどころ。舞台後方から聞こえてくる和太鼓、そしてチャンチキと締め太鼓による特徴的な音色に加え、追われるようなリズムとが組み合わさって、聞いている側に迫り来るような効果的な緊迫感を生み出していました。そして第一部ラストは『交響変奏曲「メリーゴーランド」』です。ここまでの楽曲はほぼ作曲年代順になっていましたが、年を経る度に少しずつ作曲のスタイルもかわり、しかしながらどの楽曲にも久石らしさが存分に散りばめられています。実際に映画をご覧になった方もそうでない方も大変に聴きごたえのあるプログラムだったのではないかと思います。舞台袖に下がって来た久石は顔面に沢山の汗。これまでに無いくらいのすごい量の汗(by久石本人)が熱演を物語っていました。

 休憩を挟んで、第二部は『あの夏へ』から始まる、ピアノソロコーナーです。久石のピアノを心待ちにしてくださっているファンの皆様が息を呑んで久石の演奏を見守って下さっているその緊張感が何ともコンサート特有でした。そして『Summer』。実は先にホームページで募集した「私が選ぶ思い出の曲」のアンケートで堂々の一位に輝いたのがこの曲なのです。ファンの皆様の熱いリクエストに応えることができて何よりでした。そして、最近のコンサートではアンコールに演奏されることが多かった『アシタカとサン』は今回、コンサート本編でのお披露目。
皆さんお楽しみいただけたのではないでしょうか。
 ピアノソロコーナーの後はアルバム<Asian X.T.C.>の中から。『Dawn of Asia』、続いて『Hurly-Burly』、『Monkey Forest』、と、勢いのある3曲が続きました。実は、駆け上るようなフレーズがたたみかけるように続くのが特徴的なこの『Dawn of Asia』、リハーサルで最も時間を割いた曲なのです。続いての『Hurly-Burly』は遊び心満載な楽曲です。オリジナルはサクソフォーンが印象的でしたが、オーケストラバージョンも更に力強く、題名のとおり大騒ぎを物語る作品になりました。弦楽器だけという編成で演奏された『Monkey Forest』、テンポも速いし、複雑なリズム。他の楽曲にも増してしっかりと指揮をしなくては、と、久石は本番前に構えていました。『Asian Crisis』、後半に行くにつれての緊張感は圧巻でしたね。このまま続けるのかと思いきや、久石は、予定外にも、舞台袖に戻ってきました。舞台監督さんもたまたま近くにおらず、ドアの前にいたスタッフがなれない手つきでドアを開けましたが、舞台裏はちょっとだけ慌ただしい雰囲気になりました。実は、リハーサルになって、久石は急遽、指揮棒を持たずに指揮をすることになり(指揮棒を持つと、グリップを握ることにより手が固まってしまい、ピアノを弾く時に思ったように指が動かないかのように感じてしまうそうです。)、体全体を使って表現、指示をするわけで、肉体に対する負荷は、指揮棒を持ったときより重いらしいのです。次に繊細な気遣いが必要とされるピアノ演奏を控え、本番中の張りつめた緊張を緩める瞬間が必要だと判断したのでしょう。あれだけの興奮の渦の中で自分自身を見つめ直し、一瞬でも自分を客観的に眺められること、そして本番中でも冷静になれるその落ち着きぶりはさすがでした。
 舞台袖に戻って来たのは束の間の気分転換となったのでしょうか。一瞬のうちに息を整えて再び舞台へ向かった久石。気分を一新して舞台中央に置かれているピアノに向かいます。うねるような『HANA-BI』の演奏が始まります。ピアノと弦パートがなでるように奏でるメロディー、情熱を内に秘めた、何とも官能的な演奏でした。続いて『Tango X.T.C.』。冒頭のティンパニーが会場に気持ちよく響きます。後半、スウィングのリズムになって、オケのノリの良い演奏に、ついつい体が動いてしまったお客様も多かったのではないでしょうか。本編最後の曲は『Kids Return』。ピアノによって刻まれるリズムが会場の全員をクライマックスへと昇華させていきます。演奏が終わった瞬間には割れんばかりの拍手。いつにも増して内容の濃いプログラム、時間を忘れさせるひとときを味わって頂けたのなら嬉しいです。

 久石のコンサートに通い慣れた方はご存知だと思いますが、もちろんこれでコンサートが終わりなわけではありません(笑)。
 アンコール1曲目は、『A Chinese Tall Story』。ピアノが曲全体を引っ張る大切な役割を果たしている楽曲です。演奏が終わると久石は一度舞台袖に戻って来たものの、お客様も久石本人もこれで終わるとは思っているはずも無く(笑)、続いて『Oriental Wind』。もちろんフルオーケストラバージョンです。CMバージョンとは全く違うアレンジで会場全体を包み込むような壮大なオーケストレーションは、やはりコンサートに来て体で感じる最高の感覚ですよね。そして最後の曲、『My Neighbor, TOTORO』。最近は久しくコンサートで演奏することが無かったので、この曲が好きだった方には、嬉しいサプライズだったことと思います。そういえば、この曲の途中に、トランペットのソロがあるのですが、スタッフ曰く、アジア各地のオーケストラはことごとく音を外していたのだとか(それぐらい難しいということ)。ところがさすが新日フィル。リハの時ももちろん本番も、完璧でした。素晴しい!!!----- 難しいものを難しく聴かせない、それが難しいのです。
ここで予定していたアンコール曲、総て終了。会場は興奮と熱気に満ち溢れた様子。スタンディングオベーション、全く鳴り終わる気配を感じさせない温かい拍手。久石も今までに無いほどのお客様の反応に驚いていました。多くの花束を頂き、何回か舞台上で挨拶をしますが、それでもやはり鳴り止まぬ拍手。ここで、急遽、もう一曲演奏をすることになりました。久石が一言;「じゃ、『Zai-Jian』」。実はこの曲、リハーサルで演奏はしていたものの、本番では弾かないことになっていたのです。あまりの皆様の熱意に負けて急遽演奏することに。数ヶ月かけてアジア各国をまわったツアーをしめくくるに相応しく、アジアにインスパイアされた曲、そしてこの日会場に来て頂いたお客様とのZai-Jian(=再会)の意をかけていたのかもしれません。温かいお客様の拍手に久石は励まされ、今後の活動の活力としていくはずです。会場にお越しいただいた皆様、本当にどうもありがとうございました。

 リハーサルやツアー等で色々なホールを廻りましたが、サントリーホールは本当にいいホールですね。まず、音が素晴しい。豊かに響き、たとえ舞台から離れた席であっても遠さをあまり感じさません。世界的にも高く評価されているホールだけあります。そして施設の使い勝手も、スタッフの皆さんも、総てが最高級。お客様はもちろん、演奏する側も気持ち良いはず。久石本人も会場に大変満足をしておりましました。
 久石は、今回のコンサートのパートナーである新日フィルには並々ならぬ信頼を寄せています。今までの数ある共演経験からお互いへの信頼関係がしっかり築けているからこそ、お互いが言わんとしていること、表現したい音が、言葉を介さなくても伝えあえるのでしょう。
 コンサートに足を運んで下さった方々にはスタッフ一同心より感謝いたします。次回のコンサートでも今回以上に良いものを皆様にお届けできるよう久石本人、スタッフ一同努力して参りますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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アジアツアーファイナルコンサート 公演終了 

2007年03月06日

 昨日3月5日、アジアツアーの凱旋公演「Joe Hisaishi Asia Orchestra Tour Final Concert」が
東京・サントリーホールにて行われました。
 開場前から、ホール前の広場にはたくさんのお客様で溢れかえり、突風と猛烈な降雨にもかかわらず、本当に大勢の皆様にお越し頂きました。チケットも早い時期から完売し、アジアツアーのフィナーレを飾るのに相応しい大盛況ぶりが伺えました。

 さて、このアジアツアーは、昨年11月の台北公演を皮切りに、香港、北京、上海とアジア4都市に加え、大晦日の大阪・ジルベスターコンサートと行われ、各地のオーケストラとの共演も大きな魅力の一つでした。同じ曲目でも、オーケストラが変わるだけで、ガラリと演奏も雰囲気も変わります。そんな変化を誰よりも楽しんでいたのは、やはり久石でした。

 ニ部の演奏が終わると割れんばかりの拍手。アンコールではスタンディングオベーションと歓声の嵐!!昨日の東京都心を吹き荒れた“嵐”に負けないくらい、会場内も“久石旋風”が巻き起こっていたのだと思います。いつまでも拍手が鳴りやまず、最後の最後に久石がピアノに座ると、悲鳴にも似た歓声が沸き起こりました。

(公演レポートは追って掲載予定ですので、乞うご期待ください♪)

 たくさんのお花やプレゼントも本当にありがとうございました。
久石譲、ならびにスタッフ一同心より御礼申し上げます。

平成19年3月6日
株式会社ワンダーシティ

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中国映画のその後…

2007年03月03日

ここ数週間携わっていた中国映画の音楽制作がとりあえず終了したご報告です。

 監督とお会いしたのが数週間前、その後いくつかの大きな変更が必要となり、
久石はレコーディング直前まで納得のいくものを作るためにスタジオにこもって作品制作をしていました。休憩をとるためにスタジオのドアが開いて久石の顔が見える度に、徐々にその表情は明るくなってゆき、久石自身が納得のゆく作品ができつつあることをスタッフはその表情から伺い知ることができました。

 そして数日前、都内某所のスタジオでレコーディングが行われました。今回もフルオーケストラとの共演です。直前までバタバタとしていた雰囲気がありましたが、いざ、レコーディングセッションが開始されると、久石はどっしりと構え、この日のセッションをしっかりとリード、大所帯のオーケストラのみなさんを前に指揮台に立っても、緊張どころか、余裕の表情です。いきいきとした表情でタクトを振り、はたから見ていてもとても楽しんでいる様子が伝わってきました。

 オーケストラとのセッションが終わった後は、アイリッシュハープ、リュート、リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオラ・ダ・モーレという、古楽器・民族楽器ばかりを集めためずらしい編成でのレコーディング。映画の中のとあるシーンの情感を表現するのにぴったりの編成です。これらの楽器はなかなか普段は目にすることができない楽器ばかりで、久石はじめ、その場にいるスタッフらもそれらの楽器に興味津々、奏者の方々を質問攻めにしてしまいました(笑)。終日なごやかな雰囲気で順調にレコーディングを終え、誰もが満足。 

翌日には早速にミックス作業です。レコーディングした素材をさらによりよいカタチにするための大切な行程、この作業いかんによっては完成後のイメージを大きく左右するので、ミックス作業はレコーディングと対になる大事な作業です。多くの機材が並ぶ部屋の中で映像と見ながらセリフや劇中の流れを大切に考えながらミキサーさんとの共同作業を続けます。窓の無い、ある種特殊な空間の中で、丸々二日間の缶詰作業でしたが無事終了。

後の作業は監督さんにお任せするのみです。完成作品を目にするのが今から楽しみです。日本で公開される日を心待ちにしたいと思います。

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